34 tweets retweet 「フリーミアム」というキーワードが,新刊『フリー』(クリス・アンダーソン著,こばへんさんが監修)で紹介されたこともあって,最近やたらに耳にする。 ネット上のコンテンツやサービスを無料(フリー)で提供するビジネスが当たり前になっているが,多くが苦戦を強いられている。猛烈な不況風に見舞われたこともあって,アテにしていた広告収入が十分に得られなかったからだ。そこで有料課金の導入が急がれており,そこで注目されているのが「フリーミアム」モデルである。
今までフリーであったものを有料化するのでは,決してうまくいかない。フリーミアムモデルでは,無料版の周りにプレミアムな有料版を用意して,広告とは別の大きな収益源に育てていこうとしている。そこで,どのような有料版を備えるかがカギとなるわけだ。 ただし一般に,無料版ユーザーの多くが必ずしも有料版に飛びつくとは限らない。書籍『フリー』でも述べていたように,オンラインサイトには5%ルールとかがあって,無料ユーザーの5%程度しか有料ユーザーに移行しない場合もある。有料ユーザー数を増やすには,分母となる無料ユーザー数を増やしていかなければならない。つまり,魅力ある無料サービスも備えていかなけれならないのである。 フリーミアムモデルの成功事例としては,ひとつ前の記事で紹介した新興新聞Politicoが当てはまりそうである。Politicoのサイトでは全ての記事が無料で閲覧でき,Nielsen調査では毎月400万人近いユーザーがサイトを訪れている(別の調査では700万人というデータもある)。一方,無料サイトでは得られないコンテンツを含む有料のPolitoco紙は,おそらく約5万人が購読している(新聞紙売上から逆算)。ということは,無料ユーザー400万人の1%,多く見ても2%しか,年間購読料200ドルの新聞紙を読んでくれていないことになる。それでも,新聞紙の購読売上によって,同社は黒字化を達成するのだから,Politicoのフリーミアムモデルは成功したといえる。 SNS上で展開するソーシャルゲーム・サービスでも,成功事例が生まれている。ソーシャルゲームは一般に無料でも楽しめるが,有料のバーチャルグッズを購入すればより楽しめるようになっている。Facebook向けの人気ソーシャルゲームを数多く提供しているZynga Game Networkは,同社の売上の90%をバーチャルグッズの販売収入に頼っている。同社のソーシャルゲームを楽しむ月間アクティブユーザー数は2億人を突破しているが,そのうちバーチャルグッズを購入してゲームに興じているユーザー数は100万人のオーダーに過ぎないと言われている。無料ユーザーの1%にも満たない人たちしか有料サービスを利用していなくても,今年は3億5500万ドルのバーチャルグッズ売上が見込まれている。◇参考・『フリー』,クリス・アンダーソン著,小林弘人監修・解説,NHK出版・新興新聞社Politico,創刊3年目で早くも黒字達成へ(メディア・パブ)・LinkedIn Joins ESPN, Skype in Shifting From Free to ‘Freemium’ (Bloomberg)・Behind the wall: the quest for online payers(Sydney Morning Herald)・Freemium: Can Spotify learn from Evernote?(BBC)・Social Gaming Scores in the Recession(BisinessWeek)・EXCLUSIVE: Traffic at Top Newspaper Web Sites Declines in November (Editor&Publisher)
via zen.seesaa.net
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